GPS距離計とレーザー距離計の違い —— どちらを選ぶか、競技で使えるのか
距離計は「どちらが正確か」で比較されがちですが、実際に差が出るのは精度より 何を測れるかです。
測れる対象が違う
| レーザー距離計 | GPS距離計 | |
|---|---|---|
| 測るもの | 狙って当てた一点 | あらかじめ登録された地点(グリーン手前・センター・奥、ハザードなど) |
| 見通し | 必要 | 不要 |
| ピンの正確な距離 | 得意 | ピン位置は日々変わるため苦手 |
| グリーンの奥行き | 測りにくい | 手前と奥を同時に出せる |
| ブラインドホール | 苦手 | 得意 |
| 起動から数字まで | 構えて狙う手間 | 見るだけ |
レーザーはピンまでの一点に強く、GPSはコース全体の位置関係に強い、という住み分けです。
GPSが効くのはグリーンの奥行き
見落とされやすいのがここです。グリーンは奥行きが20〜30メートルあることも珍しくなく、 ピンが手前か奥かで、必要な番手が1〜2番手変わります。
レーザーでピンまで150ヤードと分かっても、そのグリーンが手前から奥まで どれだけあるのかは分かりません。奥にこぼすと寄せが難しいホールでは、 「センターまで150、奥まで165」という情報のほうが番手選びに直結します。
精度の話
レーザーは条件が良ければ1ヤード以内の精度が出ます。GPSはスマートフォンの 測位精度に依存し、数ヤード程度の誤差が乗ります。
ただし実用上は、その誤差がスコアに効く場面は限られます。 7番アイアンの当たりのばらつきのほうが、たいてい数ヤードの測位誤差より大きいからです。 1ヤード単位の精度が効くのは、100ヤード以内でピンをデッドに狙う場面です。
一方、手ブレや誤って背景の木を測ってしまうといったレーザー特有の誤差は、 条件が悪いと数ヤードでは済みません。カタログ精度と実戦精度は別物です。
競技で使えるのか
距離を測ること自体は、現在のゴルフ規則では認められています。 ただし高低差を測る機能は、競技中は使用できません(規則 4.3a)。 補正後の「実質何ヤード」を出す機能も、番手を推奨する機能も同様です。
ここは誤解されやすいのですが、機能が付いている機器そのものが禁止されているわけではありません。 2019年の規則改訂以降は、その機能をオフにして使わなければ、同じ機器を競技で使えます。 市販のレーザー距離計の多くが傾斜モードを切り替え式にしているのはこのためです。 逆に、オフにできない機種は競技では使えません。
なお、委員会がローカルルールで距離計の使用そのものを禁止している競技もあります。 出場する競技の規定を事前に確認してください。
普段のラウンドでは制限はありません。高低差を見て番手を決めるのは、 打ち上げ・打ち下ろしの距離 で扱っています。