グリーンの速さ(スティンプ)とパットの強さ —— 数字が変わると何が変わるか
同じコースの同じホールでも、日によってパットの寄り方が変わります。 腕の問題ではなく、グリーンの速さが変わっていることが多いです。
スティンプ値が表しているもの
スティンプメーターという器具で、決まった高さの傾斜からボールを転がし、 転がった距離をフィートで表した数字がスティンプ値です。
| おおよその目安 | 状態 |
|---|---|
| 7〜8 | 遅め。一般営業日のコースに多い |
| 9〜10 | 標準〜やや速い |
| 11以上 | 速い。競技向けのセッティング |
数字は「ボールが何フィート転がったか」なので、大きいほど速いグリーンです。 ただしこれは平らな場所で測った値であり、実際のラインには傾斜が乗ります。
速いグリーンほど「曲がる」
直感に反しますが、速いグリーンのほうが曲がり幅は大きくなります。
理由は、ボールが遅い速度で転がっている時間にあります。 ボールは速いうちは傾斜にあまり影響されず、遅くなるほど横に流れます。 速いグリーンでは弱い力で打つため、遅い速度の区間が長くなり、 結果として傾斜に負ける時間が増えます。
つまり、同じ傾斜・同じ距離でも、速いグリーンでは狙いをより外側に取る必要があります。 遅いグリーンでは強く打つぶん、ラインは真っすぐに近づきます。
下りが最も差が出る
下りのラインは、もともと弱く打つ必要があります。そこにグリーンが速いという条件が重なると、 弱く打つ → 遅い区間が長い → よく曲がるが同時に起きます。
下りかつ速いグリーンでのフックラインは、アマチュアが最も薄く読みがちな場面です。 「これくらいだろう」と思った倍近く曲がることがあります。
数字を覚えるのではなく差を掴む
スティンプ値を正確に知る必要はありません。実務的に有効なのは、 練習グリーンで数球転がし、前回のラウンドとの差を体で掴むことです。
「今日は速い」と分かっていれば、曲がり幅を多めに見る、下りは特に慎重にする、 という調整ができます。読み方の手順そのものは グリーンの読み方 と変わりません。 変わるのは、傾斜に対してどれだけ余裕を見るかです。